はじめまして 2

「メディアの多様化とは?」

例えば映画(邦画)が製作されると、
映画館での上映、DVD・Bru-lay、TV放送、ネット配信、BS/CS、等多くのメディアになります。
この中で聴覚障害者が安心して字幕付で観られるのは、TV放送のみです。
何故かというと、TV放送の字幕付けには総務省補助金が年間5億円前後あり、深夜以外はほぼ字幕が付いています。その他の補助金の無い営利企業が送り出すメディアは、主にコストの問題から自ら字幕を付けないのです。

映画の字幕って、メディアによって違いはあるのでしょうか?
若干の仕様による制限はあっても、もちろん同じです。

現在日本は国連総会で採択された「障害者権利条約」の批准に向けて関連法案の整備に入っていますが、これが批准されると、基本全てのメディアに情報保障が義務付けられる可能性があります。
では、すべてのメディアで国は補助金を出すのか?

そんなことは不可能です。
映画の字幕はひとつなのに、共有していないことが大きな問題なのです。

そこで、営利企業でのプロジェクトに限界を感じ、NPOを設立しました。
MASCが提唱するのは「字幕と音声ガイドのアーカイブ」。
昨年はDVD120ディスクの字幕付けを行い、現在187ディスクの字幕配信を行っています。字幕配信の仕組みはDVDだけではなく、全てのメディアに対応出来る技術もあります。

今回光栄にも選ばれた「図書館所有DVDライブラリのバリアフリー化事業」は図書館所有DVDを調査して、出来るだけ上位のDVDから字幕付けを行っていく事業です。数年後に仮にネット配信に切り替わっても、字幕データは同じですので永久に使えるのです。
そこには「字幕提供:図書館振興財団」と入ります。

知的ボランティアが集まる図書館で、いずれ、「聴覚障害者用字幕制作ボランティア」が活躍出来るような環境を作るのも目標です。

私の大好きな図書館で映像のバリアフリー視聴環境がどんどん広がれば嬉しい限りです。
とりあえず3月までですが、宜しくお願いいたします。